(6) 「そこにすわるので、荷物をどけてください」 |
「この子、何と言っている?」
「すわるので 荷物をどけてください」
「そう言われて、この女の人、びっくりしているね」
「うん」
「どうしてびっくりしているの」
「荷物をどけてって言われたから」
「どけてって言われたから、この女の人は荷物はどけた方が良い?」
「別に・・・」
「荷物をどけなくても、この子がすわるところはほかにあるね」
「ここ」
「そう、そう。このとなりも、もっとほかも空いているね」
「うん」
「電車の放送で、荷物はひざや網棚にのせて下さいっていうことがあるけどこの公園には外にすわるところもあるね。混んでもいないし、そうしなくても良いね。 裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」
電車やバスに乗った時には「荷物は、ひざの上におのせ下さい」と放送されることがあります。
でも、ここは公園です。公園のベンチは、どこかに行くために乗る電車やバスとはちがって、ゆっくり休むためのものです。だから、公園ですわる時には、普通は、荷物をひざの上にのせなくても良いのです。
周りにはたくさんのベンチがあります。人がすわっていないベンチもあります。空いているベンチがある時は、人がすわっているベンチにはすわらないのがマナーです。知らない人がそばに近づいてくると、たいていの人は不安になるものだからです。
でも、たくさんの人が公園に来ている時は、一人でも多くの人がベンチにすわれるように、荷物をおろしたり、つめたりすることもあります。 |
(13) 「ぼく、そういうのは食べない主義なんです」 |
「この右の男の子、何と言っている?」
「保存料と着色料が入っていますね。ぼく、そういうのは食べない主義なんです」
「なるほど。保存料、着色料って何か知っている?」
「当然! うちのお母さん、△△は食べたらだめだって」
「そうなの、○○君の所も食べないように気をつけているの」
「でも、この絵のお家はそうではないんだね。家によって、考え方や大切にしていること が違うからね。このおばさん、なんかびっくりしたような、いやそうな顔をしているね。 どうしてだと思う?」
「この子が批判したから」
「批判?」
「保存料や着色料はだめって」
「あっ、そういうことね」 「この子はこれを食べたくない。このおばさんがいやな気持ちにならないように食べたくないことを伝えるには、どうすれば良いのか・・・裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」
友だちの家に遊びに行った男の子が、出してもらったお菓子のふくろに書いてある成分を見て「ぼく、こういうのは食べない主義なんです」と言っています。
お菓子を出してもらったら、まずは「ありがとう」と言うのが礼儀です。この場合の「ありがとう」は、お菓子を出してもらったことに対するお礼です。実際には食べなくても、出してくれた気持ちに感謝するのです。
好き嫌いやわがままではなく、健康のために保存料や着色料の入ったものやカロリーの高いものを食べないと決めている人や、お医者さんから食べないように言われている人もいます。
「すみません。ぼくの家では保存料や着色料が入っているものは食べないことにしているのです」
と食べない理由を伝えるのは悪いことではありません。そのようにきちんと伝えると、相手も気分を悪くしないで、次からは出さないように気をつけてくれるかもしれません。初めから、食べても良いお菓子を(友だちの分も一緒に)持って行くのも良い方法です |
(19) 「ぼく、荷物は持っていないんだけどな」 |
「この子何と言っている?」
「ぼく 荷物はもっていない・・・」
「ここは荷物を預かってくれる所なんだね。この女の子も、ここに立っている男の子も荷物があるね。荷物を持っている人は預かってくれるんだね。どうして預かってくれるのかな?」
「重いから」
「うん、それもあるね。ここ、軽い荷物でも預かってくれるよ。どうしてだと思う?」
「あっ、ジェットコースターに乗るから」
「そう! 荷物を持っていたら、つかまりにくいし、落としたりするからね。
裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」
ここはジェットコースターの乗り場です。ジェットコースターは、荷物を持って乗ると危険です。だから、乗る前に荷物を預かってもらいます。そのために、乗り場には「荷物をお預け下さい」と書いたかんばんがあります。
荷物を持っていないこの男の子は、このかんばんを見てこまっているようです。でも、このかんばんは、荷物を持っている人のために書いてあるものなので、荷物を持っていない場合はそのまま乗れば良いのです。 |