(10)チャイムが鳴ったから教室に帰った。
「あれ? 誰もいない。みんなで僕を仲間はずれにするなんてひどい!」 |
「教室に帰ったのに誰もいないよ。どうして?みな、どこかにワープした?」
「黒板に書いてある、体育館にいるんだよ。」
「ほんとうだ、机の上にも脱いだ服が置いてあるね。」
「そうだよ。体育の時は、遊び時間に着替えたら良いのに。」
「○○ちゃんはいつもそうしているの?」
「うん、先生がそう言う。」
「ふうん、先生は着替える時にはずっとそこにいるの?」
「いない。」
「えっ、どうして?」
「知らない・・・・・あっ、先生も着替えてくる。先生も遊び時間の間に着替えるんだ!」
「きっと、そうなんだね。先生がいつもいるわけではないから、先生の話や、周りの子の様子や、黒板に書いた字をよく見て行動することは大事なことなんだね。では、裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう。」
黒板には「3時間目の体育は体育館でします。」と書いてあります。これは先生からのお知らせです。クラスのほかの友だちは、これを読んで体操服に着替えて体育館へ行ったのです。すぐに体操服に着替えて体育館へ行くとよいです。これから体育館へ行けば、一緒に体育をすることができます。 |
(14)おじいちゃんのお葬式。
「ねぇ、おばあちゃん、おばあちゃんはいつ死ぬの?」 |
「これ、お葬式だけど、○○ちゃんはお葬式って何か知っている?」
「だれかが死んだんでしょ?」
「そう、この写真のおじいさんが亡くなったのね。人は一度死んだらもう生き返ることはない。
おばあちゃんも悲しんでいる。『いつ死ぬの?』なんて聞いたら、おばあちゃんはますます悲しくなってしまうよ。
こんな時にはどう言えば良いか、裏の文を読んでみよう。」
おばあちゃんもいつかは亡くなります。でも、それがいつなのかはだれにもわかりません。生まれてきた人はみんないつかは亡くなります。死ぬときのことを考えると、恐い、寂しい気持ちになる人が多いです。おばあちゃんが亡くなったときのことを考えて心配になったときは、「おばあちゃん、元気で長生きしてね。」というと良いです。 |
(22) 「この虫の説明をしてあげるよ。」 |
「この子、虫のことをよく知っているみたいだね。だから、虫のことをいっぱい話したいんだね。みんな、聞いてくれそう?」
「・・・・。」
「この子は?」
「かゆいって。」
「うん、虫にさされて、かゆくて、お話を聞く気になれないかもしれないね。」
「この子は?」
「こわいって。」
「虫は好きではないみたいね。」
「この子は?」
「聞いてる。」
「そうね、虫の話を聞きたい子も、聞きたくない子もいるんだね。本当は聞きたいけれど、今は疲れていていやだという子もいる。一人ひとり違うね。相手が聞きたいかどうかを考えたり確かめたりしながら、話すことは大事だね。」
「裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう。」
この友だちはこの虫の話に興味を示しているようです。
しかし、いつもいつも、相手が虫の話に興味を持つとはかぎりません。自分は好きなことでも、相手も同じように好きとは限らないのです。
この場面の他の子のように、虫が苦手だったり、暑さで疲れていたり、虫にさされてかゆかったりなど、理由があって話に興味を示せない人もいるかもしれません。 |