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　ソーシャルスキルトレーニング絵カード

●状況の認知絵カード1

その場の状況を、自分の持っている他の情報と関連付けて読み取ることを意図した絵カードです。一見、互いに関係はないように見える事象間にも、深いつながりがあることもあります。それを見落としたり、間違えて受け取ったりしてしまうと、結果的に人の気持ちを傷つけたり、場にそぐわない言動をとってしまったり等、周囲とのトラブルの原因になってしまうこともあります。
この教材では、一つの場面の中に数多くの刺激、情報を盛り込んでみました。より現実の社会に近い形になるようにと配慮したつもりです。
勿論、実際には、この絵に描かれた部分の外側にも、視覚だけではなく、聴覚、嗅覚、触覚等のまだまだ多くの感覚刺激、情報があふれているわけですが、それら様々な刺激、情報の中から、重要な意味を持つことを選びだし、整理し、それぞれの場面に応じて自分の取るべき行動を選択できる力を育てたい。この絵カードが、その指導の一助になればと願っています。
又、絵を媒体に普段の生活を振り返ることで、子どもたち自身が新たな発見をしてくれることも期待したいと思っています。
日頃は気付かない新たな発見もあるかもしれません。どうぞ、子どもたちと一緒に楽しんでみてください。

イラスト構成リスト（Ａ４サイズ　計２２枚）

野球をしている子がいる。お年寄りがベンチで休んでいる。ボールがぶつかっている。ゴミをばらまいている子がいる。掃除をしている人がいる。犬が放されて赤ちゃんが怖がって泣いている。犬の放し飼い、ボール遊び、ゴミのポイ捨て禁止の立て札がある。
「僕のを一番に見て!!」と列を無視して入りこもうとしている子がいる。みんなは並んで順番を待っている。怒っている子もいる。文句を言っている子もいる。指差している子もいる。
写真撮影をしているグループがある。その前に入り込んで来て遊んでいる子がいる。撮影の邪魔になっていることには全く気がつかない様子。怒っているカメラマン。撮影されている人の中にも怒り顔の人がいる。
電車の中でつり革にぶら下がって遊びながら、大声で叫んだり、笑い声をあげたりしている子がいる。前に座っているきれいなお姉さんの服に靴があたって汚れている。赤ちゃんが起きてしまって泣いている。お年寄りが寝ている。サラリーマン風の人が本を読んでいる。
掃除時間。ほうきで掃いている子。机を拭いている子。机を運んでいる子。みんな一所懸命に掃除をしている。一人だけ黒板に絵を描いて遊んでいる。先生や、気がついた一部の子が怒っている。
小さい子が自転車ごと電柱にぶつかって倒れて泣いている。一人では立ちあがれそうもない。あたりには誰もいない。男の子が、それを見ていながら黙って通りすぎようとしている。
図書館で読んだ本を出しっぱなしにして、大きな声で叫びながら走りまわっている子がいる。親子連れなど、みんな静かに本を読んでいる。迷惑そうな顔の人がいる。怒っている人もいる。図書館の人も怒っている。
みんながドッジボールをして遊んでいる。そのラインの中を、ランドセルを背負った下校途中の子が堂々と横切っている。その子にボールが当たってしまった。その子はわざとボールをぶつけられたと思っている様子。周りの子は、「そんな所を通るなよ」と怒っている。
男の子がおもちゃ屋さんで、おもちゃの箱を勝手に開けて遊んでいる。店員さんが怒っている。お母さんらしき人が済まなそうに謝ってお金を払おうとしている。
子どもが道を歩いている。水路のすぐそばを綱渡りでもするようにして歩いている子。空き缶を通りに面したアパートの駐車場に向かって蹴っている子。後ろも確認しないで道を横切る子。他所の家のお花を摘み取っている子。
公園に遊具がある。すべり台、ぶらんこの前では、子どもたちが並んで順番を待っている。すべり台に、一人の子がやってきて小さな子を押しのけて割り込もうとしている。
机から鉛筆が落ちてコロコロころがったので、友達が後ろから背中を叩いて教えてくれた。教えてもらった子は鉛筆が落ちたことにも、その子がそれを教えてくれたことにも気がつかない様子。叩かれたことを怒って「痛いな～。やめろ」とばかりにその友達に怒鳴っている。
大きなお風呂(温泉)でパシャパシャとバタ足で泳いでいる子がいる。お湯に浸かっているおばさんたちは迷惑そう。赤ちゃんにも水がかかったのか泣き出した。小さい子が面白そう、まねをしたいなと言う顔で見ている。洗い場にいるお母さんらしき人は、今、気がついた様子で困惑している。
教室でボール投げをしている子がいる。蛍光灯がある。花瓶がある。テレビがある。窓ガラスがある。本を読んでいる子がいる。
雨の中、赤ちゃんを抱いたお母さんが、玄関口で手提げ袋を持って、遠くの方に歩いて行っている女の子に向かって何か叫んでいる。女の子は気がつかない様子。そばには、手を差し出している男の子がいる。お母さんは何を叫んでいるのか。男の子は何をしようとしているのか。
放し飼いの犬に追いかけられて、女の子が慌てて逃げている。男の子が女の子の落としたらしい手提げ袋を持って知らせようとしている。でも、女の子はそれどころではない。
道を歩いていた男の子が、大きな荷物をかかえたおばあさんに「山田さんの家はどこ?」と知らない家の場所を尋ねられた。「そんなの知らん。自分で探したら」と知らん顔で通り過ぎようとしている。おばあさんは大きな荷物を抱えてしんどそう。
雨の日、お母さんが傘を届けてくれた。「かさは、かさ立てにあるしね」と教室の窓から声をかけた。
ほうきを持っている男の子が、「それ、たのむ」と言った。その男の子は何を頼んだのだろうか。
先生が沢山のノートを運ぼうとしている。「ちょっと手を貸してぇ」すぐに先生の方に駆け寄ろうとしている子がいる。自分の手をしげしげと見つめている子もいる。
知らないお兄さんに、「お前、金、持ってるか?」と聞かれた。聞かれたことをそのままの意味にとらえ、お金を見せてしまっている男の子。後の方にはそのお兄さんの仲間と思われる子が立っている。
知らないおじさんに「車に乗ったら、いいものを見せてあげる」と言われた。何を見せてくれるのだろう。