書籍名 |
自閉症の僕が跳びはねる理由 〜会話のできない中学生がつづる内なる心〜 |
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書籍データ |
著者:東田直樹 サイズ:A5判 176頁 ISBN:978-4-900851-38-2 発行日:2007年2月28日 |
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価 格 |
1,600円(税込1,760円) |
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千葉県立君津養護学校中学2年(当時)の著者が自閉症について
「どうして目を見て話さないのですか?」
「手のひらをひらひらさせるのはなぜですか?」等50以上の質問に答えます。
巻末には短編小説「側にいるから」を掲載しています。この小説は著者の家族に対する愛情に満ちあふれた内容です。
僕たちの障害(まえがきより) 自分が障害を持っていることを、僕は小さい頃は分かりませんでした。 どうして、自分が障害者だと気づいたのでしょう。 それは、僕たちは普通と違う所があってそれが困る、とみんなが言ったからです。しかし、普通の人になることは、僕にはとても難しいことでした。 僕は、今でも、人と会話ができません。声を出して本を読んだり、歌ったりはできるのですが、人と話をしようとすると言葉が消えてしまうのです。必死の思いで、1〜2単語は口に出せることもありますが、その言葉さえも、自分の思いとは逆の意味の場合も多いのです。 また、人に言われたことに対応できないし、精神的に不安定になるとすぐにその場所から走って逃げ出してしまうので、簡単な買い物さえも、一人ではできません。 なぜ、僕にはできないの…… 悔しくて悲しくて、どうしようもない毎日を送りながら、もし、みんなが僕と同じだったらどうだろう。と考えるようになりました。 自閉症を個性と思ってもらえたら、僕たちは、今よりずっと気持ちが楽になるでしょう。みんなに迷惑をかけることもあるけれど、僕らも未来に向かって楽しく生きていきたいのです。 僕は、会話はできませんが、幸いにも、はぐくみ塾の鈴木さんとお母さんとの訓練で、筆談というコミュニケーション方法を手に入れました。そして、今では、パソコンで原稿も書けるようになりました。 でも、自閉症の子供の多くは、自分の気持ちを表現する手段を持たないのです。ですから、ご両親でさえも、自分のお子さんが、何を考えているのか全く分からないことも多いと聞いています。自閉症の人の心の中を僕なりに説明することで、少しでもみんなの助けになることができたら僕は幸せです。 この本を読んで下されば、今よりきっと自閉症の人のことを、あなたの身近な友達のひとりだと思っていただけると思います。 人は見かけだけでは分かりません。中身を知れば、その人ともっと仲良くなれると思います。 自閉の世界は、みんなから見れば謎だらけです。少しだけ、僕の言葉に耳を傾けてくださいませんか。そして、僕たちの世界を旅してください。 東田 直樹 |
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毎日新聞朝刊(2007年4月22日)に掲載されました。
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