(1) 「Aさん、Bさん、Cさんには、お土産を 買ってきました」 |
「この女の子はAさん、Bさん、Cさんにお土産を買ってきたようですね。この子がAさん、この子がBさんってことにするよ。この二人は、お土産をもらってうれしいだろうね。でも、このCさんを見て。お土産をもらっているのに、うれしそうに見えないね」
「・・・・・・」
「Cさんは、この女の子にタッチしているね。何かを伝えたいみたい。何を伝えたいのだろうね?」
「お土産のこと・・・・」
「そうね。『ちょっと、待って。今、お土産を渡すのはまずいよ』って伝えているのだと思う。何がまずいのかなぁ?」
「まずい? 学校に要らないものを持ってきたらだめです」
「ああ、そうね。あなたの学校もそう? 学校で止められているものを持ってきたら確かにまずいよね。この学校はそういう決まりがない学校なのかもしれないね。だから、この場合、他にも理由があるのよ。ほら、ここ、この右の方で立っている子、プレゼントをもらっていないね。この中でもらっていないのはこの子だけね」
「この子の分はないのですか」
「そう、ここにいる他の3人のはあるのに、この子の分だけないのね」
「何か、怒っていますね。ほら、黒いもやもやが・・・」
「そうね。そうだろうね。同じ場所にいるのに自分だけもらえなかったら、平気ではいられないね。でも、おみやげは3つしかない。どうしたら良いのだろう・・・」
「困ってしまいます」
「どうしたら良いのか、裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」
この子は、クラスの友だちの何人かにだけお土産を買って来たようです。もらった人はとても喜んでいます。でも、その場には、お土産をもらっていない人もいます。その場にいる他の人はみなもらっているのに、自分だけもらっていないのでは良い気持ちはしません。
お土産は、買ってきた人だけが集まっている時に渡すようにします。集まる機会がなければ、一人ひとり別々に渡しても良いのです。
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(2) 「さっき、友だちにお土産を渡していたでしょう。どうして私にはくれないの?」 |
「この子、自分だけお土産をもらっていないので、どうしてかなと思って友だちに聞いているのね」
「この子のいないところで渡せば良いのです」
「そうね。そうすれば良かったのにね。この子の分はないんだね」
「意地悪です」
「そうね。でも意地悪と言うより、初めからだれとだれに買ってくるか決めていたのかもしれないね」
「この子に買ってこないのは、意地悪です」
「・・・・・・。もしね、ここにクラス全員40名ほどいたとしたら、その子たちは全員お土産をもらえるのかな?」
「・・・・・・」
「お土産は、全員ではなく、一部の人だけに買ってくることがほとんどね。どんな時に、どんな人におみやげを買ってくるのか、裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」
旅行に行った時などに、お土産を買ってくることがあります。沢山のお土産を買うにはお金も沢山必要です。持ち運ぶのも大変です。だから、お土産は、クラス全員にではなく、特に仲の良い人など一部の人だけに買ってくることが多いものです。旅行に行った人みんなからいつもお土産をもらえる訳ではないのです。
もしも、友だちがお土産をもらっている場面を偶然見てしまっても「どうして私にはくれないの?」と聞かないで、友だちがもらったことも気付かないふりをするのがエチケットです。 |
(7) (約束の時刻に遅れてしまった。でも、とても大事な用事があったのだから、
待ってもらって当然。別に謝る必要はない。)
「さあ、行きましょうか」 |
「この右側の女の子は約束の時刻に遅れてしまった。大事な急用ができたのね。自分が悪いのではないから、遅れたことを謝る必要はないと考えているのだけど、それで良いのかな?」
「自分のせいではないのだから、謝らなくてもよいです。悪いのは急用」
「そうね、確かにわざと遅れようと思っていたわけではないものね。この子もできたら時間通りに来たかったと思う。えっとね、今度はこの待っていた子のことを考えてみようか。この子は、右側の女の子が急用で遅れてくることを知っていたの?」
「・・・・・・。えっと・・・・わからなかった?」
「そう。この子は、右側の女の子が遅れているその理由がわからないまま、ずっと待っていたのかもしれないね」
「電話をしたら良いのに」
「そうね、そうすれば良かったのにね。待っていたということは・・・きっと電話連絡もできなかったのだろうね」
「ずっと待ってたのは可愛そうです」
「そうね。遅れた理由はどうあれ、相手はずっと待っていた。電話連絡もなかったのなら、何か事故にでも遭ったのではないかと心配していたかもしれないね」
「そうですね」
「そうよ。『待っていてくれて有り難う。ずっと待ってもらってごめんね』と伝えないとね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」
急に用事ができて、友だちとの約束の時刻に遅れてしまいました。その用事は、この子自身にとってはとても大事なものであったのかも知れません。
しかし、友だちはずっと待っていてくれたのです。その間、何かあったのかと心配していたかもしれません。
理由はどうであれ、約束の時刻に間に合わなかったことを謝り、友だちが待っていてくれたことにお礼を言うのは、今後も互いに気持ちよく過ごすための大事なマナーです。 |