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 ソーシャルスキルトレーニング絵カード

状況の認知絵カード 中高生版1

 このSST絵カードでは、中高生あるいはそれ以上の年齢の人たちが直面するであろう対人社会的な困難場面を選定しました。

 一般的に、人は行動の前に目の前の事象・事物の関連づけをしたり、知識・経験と照らし合わせたりしながら、まずはその場の状況を読みとります。そこに読み違いがあれば、その後の行動が場違い、非社会的、反社会的なものになってしまうおそれがあります。又、それらの行動は中学、高校と年齢が進むにつれて、失笑や厳しい批判や非難の対象になっていくという現実もあります。

 このSST絵カードは、子どもたちに事物・事象間の関連づけや参照作業の必要性に気付かせたり、場面状況の読みとりや適切な対処の方法を知らせたりするためのものです。ルールや常識や不文律などを学習することで、社会や人への安心感を育んでいくことも意図しています。

 留意したいのは、定型発達(多数派)の社会に適合したこれらのルールも、そうでない子たちには理解や受容が困難であったりする可能性もあることです。"あなたの感じ方とは違うかも知れないけれど、このやり方を知っておくと便利だよ"と敢えてその子に提案することでもあるのです。ルールや常識や暗黙の了解、不文律などを知ることは、その子が社会でより楽に生きていくために必要なことでもあるからです。そのような視点を大切に、この絵カードを活用して下さることを願っています。

最後になりましたが、この「状況の認知カード」中高生版でも、前回と同様に、「十人十色なカエルの子」(東京書籍)の作者である落合みどりさんに監修をお願いしました。ここであらためて感謝の意を表したいと思います。

2006年10月7日 初版発行

イラスト構成リスト(A4サイズ 22枚)


(1) 「Aさん、Bさん、Cさんには、お土産を買ってきました」
 
(2) 「さっき、友だちにはお土産を渡していたでしょう。どうして私にはくれないの?」

(3) 「このお土産いらない!! 使わない!! 返す」

(4) 「本当は一万円だけれど、特別に千円にしておくよ」  「安い。買おう」

(5) 「○○さん、交通事故で大怪我をしたのですか。では、明日お葬式かもしれないですね」

(6) 「これ、とても安かったから、あなたのも買ってきておいたよ。はい、五千円ちょうだい」

(7) (約束の時刻に遅れてしまった。でも、とても大事な用事があったのだから、待ってもらって当然。別に謝る必要はない。)
  「さあ、行きましょうか」

(8) 「あなたのお母さんって、とても太っているね」

(9) 「アンケートです。記入してください」  「アンケートに、答えるだけで良いのね」

(10) 「そこの会社のアンケートに答えるだけ? すぐに終わるなら行っても良いですよ」

(11) 「財布を落としたので電車代を貸して下さい」(困っている人を助けるのは良いこと。)
   「三百円ならありますよ」

(12) 「バニラソフト、一つ下さい」

(13) 「ここに入っていた財布がない! だれが私のお財布を盗ったの!」

(14) 「わあ、すごい!」

(15) 「ぼくの家で少し休んでいかないか?」
   「うん、ちょっと疲れているからひと休みしようかな」

(16) 「ああ、座れて良かった。荷物も置けるぞ」

(17) 「他に一緒に帰る人がいないから、あなたと帰ろう。本当は、あなたとは帰りたくないけどね」

(18) 「このケーキ、おいしそう。ふたつ取ろう!!」

(19) 「何か書くものを持っている?」  「はい持っています。可愛いシャーペンでしょう!」

(20) 「お金を持っている?」 「はい、持っています」

(21) 「かばんを無くしてしまったのです。中には、生理用のナプキンが入っています」

(22) 「わあ、いいなあ。この曲もこの曲もこの曲も聴きたい!」
(1) 「Aさん、Bさん、Cさんには、お土産を 買ってきました」
 「この女の子はAさん、Bさん、Cさんにお土産を買ってきたようですね。この子がAさん、この子がBさんってことにするよ。この二人は、お土産をもらってうれしいだろうね。でも、このCさんを見て。お土産をもらっているのに、うれしそうに見えないね」
 「・・・・・・」
 「Cさんは、この女の子にタッチしているね。何かを伝えたいみたい。何を伝えたいのだろうね?」
 「お土産のこと・・・・」
 「そうね。『ちょっと、待って。今、お土産を渡すのはまずいよ』って伝えているのだと思う。何がまずいのかなぁ?」
 「まずい? 学校に要らないものを持ってきたらだめです」
 「ああ、そうね。あなたの学校もそう? 学校で止められているものを持ってきたら確かにまずいよね。この学校はそういう決まりがない学校なのかもしれないね。だから、この場合、他にも理由があるのよ。ほら、ここ、この右の方で立っている子、プレゼントをもらっていないね。この中でもらっていないのはこの子だけね」
 「この子の分はないのですか」
 「そう、ここにいる他の3人のはあるのに、この子の分だけないのね」
 「何か、怒っていますね。ほら、黒いもやもやが・・・」
 「そうね。そうだろうね。同じ場所にいるのに自分だけもらえなかったら、平気ではいられないね。でも、おみやげは3つしかない。どうしたら良いのだろう・・・」
 「困ってしまいます」
 「どうしたら良いのか、裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」
 
 この子は、クラスの友だちの何人かにだけお土産を買って来たようです。もらった人はとても喜んでいます。でも、その場には、お土産をもらっていない人もいます。その場にいる他の人はみなもらっているのに、自分だけもらっていないのでは良い気持ちはしません。
 お土産は、買ってきた人だけが集まっている時に渡すようにします。集まる機会がなければ、一人ひとり別々に渡しても良いのです。
(2) 「さっき、友だちにお土産を渡していたでしょう。どうして私にはくれないの?」
 「この子、自分だけお土産をもらっていないので、どうしてかなと思って友だちに聞いているのね」
 「この子のいないところで渡せば良いのです」
 「そうね。そうすれば良かったのにね。この子の分はないんだね」
 「意地悪です」
 「そうね。でも意地悪と言うより、初めからだれとだれに買ってくるか決めていたのかもしれないね」
 「この子に買ってこないのは、意地悪です」
 「・・・・・・。もしね、ここにクラス全員40名ほどいたとしたら、その子たちは全員お土産をもらえるのかな?」
 「・・・・・・」
 「お土産は、全員ではなく、一部の人だけに買ってくることがほとんどね。どんな時に、どんな人におみやげを買ってくるのか、裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」  

 旅行に行った時などに、お土産を買ってくることがあります。沢山のお土産を買うにはお金も沢山必要です。持ち運ぶのも大変です。だから、お土産は、クラス全員にではなく、特に仲の良い人など一部の人だけに買ってくることが多いものです。旅行に行った人みんなからいつもお土産をもらえる訳ではないのです。
 もしも、友だちがお土産をもらっている場面を偶然見てしまっても「どうして私にはくれないの?」と聞かないで、友だちがもらったことも気付かないふりをするのがエチケットです。
(7) (約束の時刻に遅れてしまった。でも、とても大事な用事があったのだから、
    待ってもらって当然。別に謝る必要はない。)
   「さあ、行きましょうか」
 「この右側の女の子は約束の時刻に遅れてしまった。大事な急用ができたのね。自分が悪いのではないから、遅れたことを謝る必要はないと考えているのだけど、それで良いのかな?」
 「自分のせいではないのだから、謝らなくてもよいです。悪いのは急用」
 「そうね、確かにわざと遅れようと思っていたわけではないものね。この子もできたら時間通りに来たかったと思う。えっとね、今度はこの待っていた子のことを考えてみようか。この子は、右側の女の子が急用で遅れてくることを知っていたの?」
 「・・・・・・。えっと・・・・わからなかった?」
 「そう。この子は、右側の女の子が遅れているその理由がわからないまま、ずっと待っていたのかもしれないね」
 「電話をしたら良いのに」
 「そうね、そうすれば良かったのにね。待っていたということは・・・きっと電話連絡もできなかったのだろうね」
 「ずっと待ってたのは可愛そうです」
 「そうね。遅れた理由はどうあれ、相手はずっと待っていた。電話連絡もなかったのなら、何か事故にでも遭ったのではないかと心配していたかもしれないね」
 「そうですね」
 「そうよ。『待っていてくれて有り難う。ずっと待ってもらってごめんね』と伝えないとね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」  

 急に用事ができて、友だちとの約束の時刻に遅れてしまいました。その用事は、この子自身にとってはとても大事なものであったのかも知れません。
 しかし、友だちはずっと待っていてくれたのです。その間、何かあったのかと心配していたかもしれません。
 理由はどうであれ、約束の時刻に間に合わなかったことを謝り、友だちが待っていてくれたことにお礼を言うのは、今後も互いに気持ちよく過ごすための大事なマナーです。



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