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 ソーシャルスキルトレーニング絵カード

状況の認知絵カード4

 このカードでのSSTの対象は、その場面の社会的状況を、カードの裏の上部のように捉えてしてしまう傾向のある子どもたちです。

 これらの子どもたちは、情報の的確な関連づけができなかったり、注意を向ける力が弱かったりするために場面の社会的状況を読み間違ってしまい、その結果として一般的ではない判断や行動をしてしまうと考えられます。その一般的ではない判断や行動は、社会の中では非社会的、反社会的なものとして批判や非難を受けることにつながっていきます。

 中には、場面を読んだり、適切な判断をしたりする力はあるのに、それとは違う不適切な行動を好んで選択しようとする子もいます。そのような子は、“他の指図は受けない。〜するのは面倒。自分なんかどうなっても良い”と言った発言をするため、反抗的、厭世的、破滅的に見えます。

 他者に関する事では適切な判断の力を見せるのに、自分のこととなると途端に“ともかく自分が一番。思い通りに事が進まないと不機嫌。人には厳しく自分に甘い”といった態度をとるので、傲慢・横柄に見られてしまう子もいます。

 SSTの対象になるこれらの子一人ひとりの状態像が、発達起因なのか心理社会的要因なのかの判断は、ここでは求めません。原因のいかんを問わず、ソーシャルスキルの獲得に弱さがある子たちという捉え方をすることで、支援や指導のあり方が見えてくると考えます。勿論、結果的に同じような行動を見せているとしても、それぞれが違った情報の受け取りや処理をしていることへの配慮は不可欠ですが、発達障害であれ心理社会的要因であれ、認知の弱さや歪み、判断と行動の弱さといった共通項に着目するのです。

 とはいえ、裏の説明文はあくまでも一般論の域を出るものではなく、すべての子が納得できるとは限りません。どうぞ一人ひとりに合わせアレンジしてお使い下さい。また、当然ながら、このカードの指導だけで、ソーシャルスキルが身に付くわけではありません。この絵カードのような場面での誤解や勘違いから結果的にトラブルを引き起こして困っている子たちが、場面理解や行動選択のヒントを得るという役割を担えればと思います。今後も、この絵カードをより実践的なものに改善していくことができるようにご意見やご要望をいただければ有り難いです。

 最後になりましたが、この「状況の認知カード」の4では、十人十色なカエルの子(東京書籍)の作者である落合みどりさんに監修をお願いしました。

2006年1月5日 初版発行

イラスト構成リスト(A4サイズ 22枚)


(1) 「先生のものではないから、先生には返さない」 

(2) 「残っている! それなら、食べてしまおう!」

(3) 「何という名前なの?」「たくやだよ」

(4) 「ちがいます! 次の時間は体育です!」

(5) ここは乗り物(エレベーター)の中、バスの運転手さんが
   「つめてください」と言っていたから、そうしよう。

(6) 「そこにすわるので、荷物をどけてください」

(7) 「こんなところいやだ!」
   (意味がわからない/うるさい/へんなにおいがする)

(8) 「あいつが動いたのが悪い。ぼくは悪くないからあやまらない」

(9) 「こっちを見て何か言っている。きっとぼくの悪口だ。」

(10) 「ごはんを食べに行こう!」 「いやだ、おかずも食べたい!」

(11) 「上ぐつを持って帰ればいいんだね」

(12) 「3時31分だから、ぼく帰る」

(13) 「ぼく、そういうのは食べない主義なんです」

(14) 「間違えた。全部、消してしまおう!」

(15) 「こんなわからない問題を出す先生はひどい!」

(16) 「ぼく、もうこのおもちゃで遊ばない!」

(17) 「体育もできないようでは、教師の資格はありません」

(18) 「たおれたのは、お母さんのせいだ!」

(19) 「ぼく、荷物は持っていないんだけどな」

(20) 「今日は、花の水やり当番なんだ。」

(21) 「赤組が負けたのは、白組のおまえらのせいだ」

(22) 「誰だ、ぼくをなぐったのは?」

(6) 「そこにすわるので、荷物をどけてください」
 「この子、何と言っている?」
 「すわるので 荷物をどけてください」
 「そう言われて、この女の人、びっくりしているね」
 「うん」
 「どうしてびっくりしているの」
 「荷物をどけてって言われたから」
 「どけてって言われたから、この女の人は荷物はどけた方が良い?」
 「別に・・・」
 「荷物をどけなくても、この子がすわるところはほかにあるね」
 「ここ」
 「そう、そう。このとなりも、もっとほかも空いているね」
 「うん」
 「電車の放送で、荷物はひざや網棚にのせて下さいっていうことがあるけどこの公園には外にすわるところもあるね。混んでもいないし、そうしなくても良いね。 裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」

 電車やバスに乗った時には「荷物は、ひざの上におのせ下さい」と放送されることがあります。
 でも、ここは公園です。公園のベンチは、どこかに行くために乗る電車やバスとはちがって、ゆっくり休むためのものです。だから、公園ですわる時には、普通は、荷物をひざの上にのせなくても良いのです。
 周りにはたくさんのベンチがあります。人がすわっていないベンチもあります。空いているベンチがある時は、人がすわっているベンチにはすわらないのがマナーです。知らない人がそばに近づいてくると、たいていの人は不安になるものだからです。
 でも、たくさんの人が公園に来ている時は、一人でも多くの人がベンチにすわれるように、荷物をおろしたり、つめたりすることもあります。
(13) 「ぼく、そういうのは食べない主義なんです」
 「この右の男の子、何と言っている?」
 「保存料と着色料が入っていますね。ぼく、そういうのは食べない主義なんです」
 「なるほど。保存料、着色料って何か知っている?」
 「当然! うちのお母さん、△△は食べたらだめだって」
 「そうなの、○○君の所も食べないように気をつけているの」
 「でも、この絵のお家はそうではないんだね。家によって、考え方や大切にしていること  が違うからね。このおばさん、なんかびっくりしたような、いやそうな顔をしているね。 どうしてだと思う?」
 「この子が批判したから」
 「批判?」
 「保存料や着色料はだめって」
 「あっ、そういうことね」
 「この子はこれを食べたくない。このおばさんがいやな気持ちにならないように食べたく  ないことを伝えるには、どうすれば良いのか・・・裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」

 友だちの家に遊びに行った男の子が、出してもらったお菓子のふくろに書いてある成分を見て「ぼく、こういうのは食べない主義なんです」と言っています。
 お菓子を出してもらったら、まずは「ありがとう」と言うのが礼儀です。この場合の「ありがとう」は、お菓子を出してもらったことに対するお礼です。実際には食べなくても、出してくれた気持ちに感謝するのです。
 好き嫌いやわがままではなく、健康のために保存料や着色料の入ったものやカロリーの高いものを食べないと決めている人や、お医者さんから食べないように言われている人もいます。
「すみません。ぼくの家では保存料や着色料が入っているものは食べないことにしているのです」
 と食べない理由を伝えるのは悪いことではありません。そのようにきちんと伝えると、相手も気分を悪くしないで、次からは出さないように気をつけてくれるかもしれません。初めから、食べても良いお菓子を(友だちの分も一緒に)持って行くのも良い方法です
(19) 「ぼく、荷物は持っていないんだけどな」
 「この子何と言っている?」
 「ぼく 荷物はもっていない・・・」
 「ここは荷物を預かってくれる所なんだね。この女の子も、ここに立っている男の子も荷物があるね。荷物を持っている人は預かってくれるんだね。どうして預かってくれるのかな?」
 「重いから」
 「うん、それもあるね。ここ、軽い荷物でも預かってくれるよ。どうしてだと思う?」
 「あっ、ジェットコースターに乗るから」
 「そう! 荷物を持っていたら、つかまりにくいし、落としたりするからね。
 裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」

 ここはジェットコースターの乗り場です。ジェットコースターは、荷物を持って乗ると危険です。だから、乗る前に荷物を預かってもらいます。そのために、乗り場には「荷物をお預け下さい」と書いたかんばんがあります。
 荷物を持っていないこの男の子は、このかんばんを見てこまっているようです。でも、このかんばんは、荷物を持っている人のために書いてあるものなので、荷物を持っていない場合はそのまま乗れば良いのです。



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