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 ソーシャルスキルトレーニング絵カード

●状況の認知絵カード2
 社会の中で生活していく為には、行動のルールやマナー、人や社会を認識し折り合いをつけていくスキル等を身につける事が必要になってきます。それらは生活の折々に少しずつ教えられたり、周囲をお手本としながら自ら学んでいったりする中で身につけていくことが多いものではあります。しかし、そのような形で自然に身につけていくことが難しく、SSTの場を設定して補っていくことが必要な子が存在するのも確かです。

 このカードは、後者の子どもたちの一助にと作成されたものです。場の状況を様々な情報と関連付けて読みとることを意図した「状況の認知カード」の続編でもあります。
 この続編では、場面状況認知や対人社会スキルについて絵と文で説明する形式をとりました。 
 初めに、“絵カードに描かれた状況が、そこに登場する子どもにはどう見えているのか”を、問題文の形で提示しました。次に、その見え方(状況理解)の誤解部分を明らかにするとともに、理解が不十分な所には“一般的社会的な事実と見解”や“絵カードに描かれた他の情報”と関連づけ補足説明を加えていったわけです。

 カードの目的の一つは、“自分の言動が周囲に不快感を与えたり、逆に、自分が被害を被ったりすることもある”というその事実を、まずは子どもたち自身に知らせるということにあります。取りあえずは、そこから脱却する為のスキルの提示はしますが、それを、自らの判断で行動選択する力の獲得へとつないていく事こそが本来的な目的です。そして、もう一つの目的は、周囲の人もこのカードを通して子どもたちの場面認知の弱さやその困難の一端を知り、関わり方を工夫したり環境を整備していったりする時のヒントを得て欲しいという事です。

(編・著者からのお願い)
 この絵カードに描かれたものは、子どもたちが直面する社会対人場面の中のほんの一部でしかありません。
 場面の状況が変われば、学んだことが応用できにくくなる子もいます。それなら、想定しうる限りの場面を順次、絵カードと説明文にしていく事でその子たちのニーズにも応えていきたいと考えました。
 ご協力頂ける方がおられましたら、“このような場面の理解が困難な子がいる。こんな場面も混乱を招く可能性がある。” などの情報を、是非、別添のアンケートはがき等でお教え下さい。
 このカードが、より多くの“子どもたちの側の味方”となれるようにと願っています。

 最後に、この(6)のカードの状況認知説明文作成にあたっては、ペンギンくらぶの落合みどりさんに多くのアドバイスを頂いたことを感謝の意を込めて申し添えたいと思います。
2003年5月20日 初版発行


イラスト構成(A4サイズ 22枚)
(1)“立入禁止”と書いてある。座った姿勢で入ればだいじょうぶ?
  “アヒルのえさ 百円”と書いてある。アヒルが百円玉を食べるのかな?

(2) あのおじさんの頭は禿げている。頭には髪の毛があるものなのに、なぜ?

(3)部屋におもしろそうなおもちゃがあったので、手にとって遊ぼうとした。
  そうしたら弟が急に泣き出した。お父さんが
  「何をやっているんだ!!何回言えばわかるんだ!」
  と聞いた。だから
  「おもちゃで遊んでいるんだよ。2回めだよ。」
  と答えた。

(4)クラスにとても太っている子がいる。
  そのお母さんに、太りすぎだから子どもの栄養を考えてあげなければだめだ
  と説明してあげよう!

(5)お母さんに「お皿を運んでね。」と言われた。だから、お皿だけ運ぼう!

(6)お母さんと訪問した家で自分の嫌いなにおいがした。だから
  「この家、くさいね。」と言った。

(7)「絵の具を持って帰りなさい。」
  と言われた。絵の具セットから絵の具を出して持って帰ろう!

(8)病気で休んだら、友だちがお見舞いカードを持ってきた。
  だけど気に入らないので、「こんなのいらない。」と言った。

(9)徒競走で一番になりたい。でも、なれそうもない。もう走るのはやめたい!

(10) 中学生が数名集まって、タバコを吸っている。 
  「20歳にならないと吸ってはいけない。」と教えてあげよう!

(11) 持って来たはずの筆箱がない。先生にも
  「筆箱を忘れたのかな? 忘れ物をしないようにしようね。」と言われた。

(12) テストを返してもらった。僕は100点なのに友だちは80点なので
  「なんだ、80点か。」と言った。

(13)「ねぇ、遊びに行こう。」と友だちに言った。
  でも、遊んでくれない。

(14)電話で「お母さんいますか。」と聞かれたので
  「はい、います。」と答え次の質問を待った。
  でも、相手は何も言わない。

(15)友だちに話しかけた。
  それなのに友だちは「ダメ!」と言った。
  「ダメって言ったあ! 頭に来た!」

(16)「お風呂、見てきて。」
  と言われたのでお風呂場を見に行った。言われた通りに見てきた。

(17)たこ焼き屋さんに、「次のぼくは、いくつ?」と聞かれたので
  「7歳です。」と答えた。

(18)教室の入り口の所に立っていたら、友だちが「じゃまだ、どけ。」
  と言った。 じゃまだって? 腹が立つ!

(19)先生に「友だちをたたいてはいけません。」
  と言われた。たたくのがいけないのなら、かんでやろう!

(20) 友だちが「そこ、持って。」と言ったので、言われた通りに持った。

(21)朝の支度時、「服を着て、ランドセルを背負って。」
  と言われた。だから、服を着てランドセルを背負った。

(22)色々な気持ちや表情があります。
  人はどんな時にそんな気持ちになるのかな?
  教えてもらったり考えてみたりしてみよう。

指導事例
(6)お母さんと訪問した家で自分の嫌いなにおいがした。だから
  「この家、くさいね。」と言った。
 家の中には色々な臭いがあります。トイレ、台所、下駄箱、ペットやタバコ等、気がつかないうちに臭いがしみついていることもあるのです。

 このおばさんの家は、きちんと整頓されています。いつも掃除をして清潔にしているのかもしれません。それでも、ニオイがなかなか取れないこともあります。

 人は、“くさい”とか“汚い”とか“散らかっている”などの否定的なことばを言われると、いやな気持ちになることが多いです。だから、それらのことばは、口に出さない方が良いのです。

 でも、どうしても気になるにおいがあったら、小さな声でお母さんに、
 「このにおい何のにおい?」
とそっと聞いてみる方法もあります。
(9)徒競走で一番になりたい。でも、なれそうもない。もう走るのはやめたい!
この子は、一番が好きなようです。

でも、人は、いつもいつも一番になれるとは限りません。勝つこともあれば負けることもあるからです。二番になる時も、三番になる時もあるし、もっと後の順番になることもあります。

けれど、一生懸命、最後まで走る子は、どの子も“一番がんばる子”です。
(18)教室の入り口の所に立っていたら、友だちが 「じゃまだ、どけ。」
  と言った。 じゃまだって? 腹が立つ!
 今は掃除時間中です。バケツを持った友だちは、水を汲んで帰って来たところです。

教室に入ろうと思っているのに、この子が入り口に立ちふさがるような形になっているので、
「入るのにじゃまだ、どけ。」
と言っているのです。

普通、黙っていてもよける人が多いので、この友だちは少しいらだって乱暴な言い方をしてしまったようです。

でも、「教室に入るから、そこをどいて!」と言えば、この子も腹を立てずにすんだかもしれません。


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