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 ソーシャルスキルトレーニング絵カード

●状況の認知絵カード1

 その場の状況を、自分の持っている他の情報と関連付けて読み取ることを意図した絵カードです。一見、互いに関係はないように見える事象間にも、深いつながりがある事もあります。それを見落としたり、間違えて受け取ったりしてしまうと、結果的に人の気持ちを傷つけたり、場にそぐわない言動をとってしまったり等、周囲とのトラブルの原因になってしまう事もあります。
 
 この5の教材では、一つの場面の中に数多くの刺激、情報を盛りこんでみました。情報を整理し焦点化し、そこに注目しやすいようにした1〜4までの教材とは違い、より現実の社会に近い形になるようにと配慮したつもりです。
 
 勿論、実際には、この絵に描かれた部分の外側にも、視覚だけではなく、聴覚、嗅覚、触覚等のまだまだ多くの感覚刺激、情報があふれているわけですが。
 それら様々な刺激、情報の中から、重要な意味を持つ事を選びだし、整理し、それぞれの場面に応じて自分の取るべき行動を選択できる力を育てたい。この5の絵カードが、その指導の一助になればと願っています。
  
 又、絵を媒介に普段の生活をふりかえる事で、子どもたち自身が新たな発見をしてくれる事も期待したいと思っています。 日頃は気付かない新たな発見もあるかもしれません。どうぞ、子どもたちと一緒に楽しんでみて下さい。

2001年12月20日 初版発行

構成 A4サイズ 22枚

イラスト構成
1.野球をしている子がいる。
  お年寄りがベンチで休んでいる。ボールがぶつかっている。
  ゴミをばらまいている子がいる。
  掃除をしている人がいる。
  犬が放されて赤ちゃんが怖がって泣いている。
  犬の放し飼い、ボールあそび、ゴミのポイ捨て禁止の立て札がある。

2.「僕のを一番に見て!!」と列を無視して入りこもうとしている子がいる。
  みんなは並んで順番を待っている。
  怒っている子もいる。文句を言っている子もいる。指差している子もいる。

3.写真撮影をしているグループがある。
  その前に入り込んで来て遊んでいる子がいる。
  撮影の邪魔になっている事には全く気がつかない様子。
  怒っているカメラマン。撮影されている人の中にも怒り顔の人がいる。

4.電車の中でつり革にぶら下がって遊びながら、大声で叫んだり、笑い声をあげ
  たりしている子がいる。
  前に座っているきれいなおねえさんの服にくつがあたって汚れている。
  赤ちゃんが起きてしまって泣いている。
  お年寄りが寝ている。
  サラリーマン風の人が本を読んでいる。

5.掃除時間。ほうきで掃いている子。机を拭いている子。机を運んでいる子。
  みんな一所懸命に掃除をしている。
  一人だけ黒板に絵を描いて遊んでいる。
  先生や、気がついた一部の子が怒っている。

6.小さい子が自転車ごと電柱にぶつかって倒れて泣いている。
  一人では立ちあがれそうもない。
  あたりにはだれもいない。
  男の子が、それを見ていながら黙って通りすぎようとしている。

7.図書館で読んだ本を出しっぱなしにして、大きな声で叫びながら走りまわって
  いる子がいる。
  親子連れなど、みんな静かに本を読んでいる。
  迷惑そうな顔の人がいる。怒っている人もいる。図書館の人も怒っている。

8.みんながドッジボールをして遊んでいる。
  そのラインの中を、ランドセルを背負った下校途中の子が堂々と横切っている。
  その子にボールが当たってしまった。
  その子はわざとボールをぶつけられたと思っている様子。
  周りの子は、 「そんな所を通るなよ。」 と怒っている。

9.男の子がおもちゃ屋さんで、おもちゃの箱を勝手にあけて遊んでいる。
  店員さんが怒っている。
  お母さんらしき人がすまなさそうに謝ってお金を払おうとしている。

10.子どもが道を歩いている。
  水路のすぐそばを綱渡りでもするようにして歩いている子。
  空き缶を通りに面したアパートの駐車場に向かって蹴っている子。
  後ろも確認しないで道を横切る子。
  よその家のお花を摘み取っている子。

11.公園に遊具がある。
  すべり台、ぶらんこの前では、子どもたちが並んで順番を待っている。
  すべり台に、一人の子がやってきて小さな子を押しのけて割り込もうとしている。

12.机から鉛筆が落ちてコロコロころがったので、
  友達が後から背中をたたいて教えてくれた。
  教えてもらった子は鉛筆が落ちた事にも、
  その子がそれを教えてくれた事にも気がつかない様子。
  たたかれたことを怒って「いたいな〜。やめろ。」とばかりに
  その友達に怒鳴っている。

13.大きな温泉(おふろ)でパシャパシャとバタ足で泳いでいる子がいる。
  お湯に浸かっているおばさんたちは迷惑そう。
  赤ちゃんにも水がかかったのか泣き出した。
  小さい子がおもしろそう、まねをしたいなと言う顔で見ている。
  洗い場にいるお母さんらしき人は、今、気がついた様子で困惑している。

14.教室でボール投げをしている子がいる。
  蛍光灯がある。花瓶がある。テレビがある。ガラス窓がある。
  本を読んでいる子がいる。

15.雨の中、赤ちゃんを抱いたお母さんが、玄関口で手提げ袋を持って、
  遠くの方に歩いて行っている女の子にむかって何か叫んでいる。
  女の子は気がつかない様子。
  そばには、手を差し出している男の子がいる。
  お母さんは何を叫んでいるのか。
  男の子は何をしようとしているのか。

16.放し飼いの犬に追いかけられて、女の子があわてて逃げている。
  男の子が女の子の落としたらしい手提げ袋をもって知らせようとしている。
  でも、女の子はそれどころではない。

17.道を歩いていた男の子が、大きな荷物をかかえたおばあさんに
  「山田さんの家はどこ?」
  と知らない家の場所を尋ねられた。
  「そんなの知らん。自分で探したら。」
  と知らん顔で通り過ぎようとしている。
  おばあさんは大きな荷物をかかえてしんどそう。

18.雨の日、おかあさんが傘を届けてくれた。
  「傘は、傘立てにあるしね。」 と教室の窓から声をかけた。
    (注)「ふうん、傘は傘立てにあるのか。」
    と思いながら雨の中を傘もささずに帰って来たという実話があります。

19.ほうきを持っている男の子が、
  「それ、たのむ。」  と言った。その男の子は何をたのんだのだろうか。

20.先生が沢山のノートを運ぼうとしている。
  「ちょっと手を貸してぇ。」
  すぐに先生の方にかけよろうとしている子がいる。
  自分の手をしげしげと見つめている子もいる。

21.知らないお兄さんに、「お前、金、持ってるか?」 と聞かれた。
  聞かれた事をそのままの意味にとらえ、お金を見せてしまっている男の子。
  後の方にはそのお兄さんの仲間と思われる子が立っている。
  そのことばの裏にはどんな意味、意図があるのか。

22.知らないおじさんに
  「車に乗ったら、良いものを見せてあげる。」と言われた。
  何を見せてくれるのだろう。
  そのことばの裏にはどんな意味、意図があるのか。

指導事例
●8.邪魔になる行動をしてしまう


「この絵を見て。これってどういう事? どうしているの?」
「皆で、この子にボールをぶつけていじめている。」

「えっ、ああ、そうも見えるね。でも、ほら、ここ、この線を見てよ。」
「見た。」

「・・・。線を引いて何をしているの?」
「ドッチボール。」


「うん、そうみたいね。この緑の服の男の子も一緒にしているの?」
「うん。」

「・・・・。この男の子、背中に何か背負ってるよ。」
「ランドセル。」

「と言う事は・・、この子は一緒にドッチボールをしていたのではなくて・・。」
「?」

「家に帰ろうとしている所だったんじゃない? 」
「あ、そうか。ここに女の子がいる。」

「うん、この女の子も帰る所だね。帰ろうとしていて、どうなったの?」
「ボールをぶつけられた。」

「わざと、ぶつけられたの?」
「うん。」

「・・・・・。でも、アッ、アブナイって言っている人もいるよ。
 ぶつけられたんじゃなくて当たってしまったんじゃない?」
「ふうん・・、そうか・・。」

「この男の子、急いでお家に帰ろうとしていて、皆がドッチボールをしている事
 に気がつかないで、そのど真ん中を横切ろうとしてしまったのだろうね。
 それで、ボールが当たってしまったんだね。
 どうして、右側にいる二人も怒った顔しているの?」
「じゃま、だから?」

「そうね。じゃまをするなよって怒っているんだろうね。わざとじゃまをしたん
 だっけ?」
「違う。」

「そうね、気がつかなかっただけなんだから、周りの子も怒らないで欲しいね。
 この子も、次からは、こんな事のないように気をつけられると良いね。」
「うん。」

●12.親切に教えてくれたのに怒ってしまう 

 
「この子、怒っているみたいだけど、どうしたの。」
「後ろの子がたたいた。」

「うん、そうね、たたかれて痛かったのかな、たたかれた事がいやだったのかな。 どうして、たたいたのだと思う?」
「?」

「ほら、この後ろの子の左手を見て! 何がある?」
「えんぴつ。」

「そうね、このえんぴつどうしたの? だれのものなの?」
「この子の!」

「そうよ。ということは・・この後ろの子どうしてたたいたのだと思う。」
「えんぴつが落ちているよ、って。」

「そうね、背中をポンと軽くたたいて教えてくれたって事ね。」
「そうか。」

「後ろの子もえんぴつが落ちたよって言いながら合図をしてあげたら、誤解されなく
 てすんだかもしれないね。」
 
「あ、ここ、この子、ティッシュをポイってしてる。」
「本当だ、これはいたずらかな? 飛ばされた方の子の顔がわからないから良くわ
 からないけど。でも、お勉強時間にこんな事をして遊んでたらいけないね。」
 えんぴつが落ちた事を知らせてあげた事は、遊びじゃなかったよね。」

●22.「良いものを見せてあげる。」


「これを見て。この車に乗っているおじさん何と言っている?」
「良いもの見せてあげる。」

「良いものって何かな?」
「?」

「このおじさん、本当にこの子たちに良いものを見せてあげようと思っているのかな?」
「悪い人?」

「わからないけど。この男の子は、このおじさんが悪い人だと思っているのかな?」
「?」

「悪い人だと思っているのなら、こんなににこにこしていられる?」
「?」

「悪い、こわい人だと思ったら、〇〇君は逃げるんと違う?」
「うん。」

「この女の子はどう思っているのだろうね。どんな顔をしている?」
「いやな顔。」

「そうね、この男の子がおじさんの言うことを信じているみたいだから、
 ダメよ逃げようって言いたそうな顔をしているね。
 こんなふうに声をかけて、子どもをどこかに連れていってしまう悪い人がいるっ
 て事は聞いたことある?」
「ある。」

「良いものを見せてあげるとか、良いところに連れて行ってあげるとか、お母さん
 がけがをしたので今から病院に行こうとか、色々な事を言って、子どもを連れて
 行こうとする人がいるのね。
 この人が、もしそんな人だったら大変だね。
 ともかく、知らない人にこんなふうに声をかけられても、『いりません。』って
 言って、その場から早く逃げ出す方が良いね。」
 


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