ある日突然、最愛の家族が病に倒れ、医師から失語症と告げられたら……、人生の想定にない出来事に路頭に迷う方がほとんどではないでしょうか。がんや心筋梗塞あるいは脳卒中という言葉までは聞いたことがあっても、失語症という用語は初めて耳にされる方が圧倒的に多いと思います。そのような方を対象に、心の支えになるような内容を提供することを目的に編集しました。<失語症とそれに関連する疾患><失語症者の家族の想い><失語症者を支える社会のしくみ>の大きく三つに分けてお伝えします。本書は、失語症者の皆様が新しい価値観を得て、その後の人生を前向きに生きて欲しいと願う言語聴覚士が執筆しました。
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はじめに
I.失語症とそれに関連する疾患
- 失語症とは
(1)失語症の基礎
(2)失語症の原因
(3)失語症のタイプ
(4)失語症でみられる主な症状
(5)合併しやすい高次脳機能障害
- 高齢化に伴う生活障害
(1)認知症の合併
(2)自動車運転
II.失語症者の家族の想い
III.失語症者を支える社会のしくみ
- 障害者、高齢者をめぐる施策のあゆみ
(1)障害者施策の歴史
(2)高齢者介護施策の歴史
- 日本の社会保障制度
- 医療保険での治療
(1)脳梗塞になったらいつまで入院出来る?
入院後の経過と入院期間について
(2)リハビリはいつまで出来る?
リハビリテーションが可能な期間について
- 介護保険の利用
(1)介護保険創設の経緯・意義
(2)介護保険の仕組み
- 障害者福祉制度
(1)身体障害者手帳
(2)障害者総合支援法
(3)障害者総合支援法と介護保険・医療保険との関係
(4)障害年金
- 心豊かな生活のために
(1)地域包括ケアシステム
(2)言語聴覚士の役割
(3)失語症友の会
- おわりに
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